「これ直すんですか?」一応確認のため聞いてみた。そしたら「直したい」という答え。
「ものすごく大変だよ」と言うと、「いくらぐらいですか?」というので「普通の3倍くらいかかるよ」
と答えたら、「新品買った方が安いですか?」と言うので、「そこまではいかない」ということで
契約成立して修理することになった。
普通はこのように大破している場合は新品に交換するように勧めます。
それは修理に相当な時間を費やし、製作業務に差し支えるからです。
おそらく、これは、新品交換した上で直したチャンバーはスペアとして取っておこうということだと思います。
そして、直らなければ諦めると思うのですがダメ元で聞いてみるということは、私が直せるかどうか試しているのではないかと、思わせるのです。
これが直ったとしても私の評価が上がるわけでは無いと思いますが、もしかして直せないんじゃないかと思われることが、マイナス要素なので
この挑戦に応えることにしました。
ここが荷重の力点だと推測しますが、鉄板が破けています。
圧力をかけて直すために、溶接して穴を塞ぐ必要があります。
エキパイにシワがよって蛇腹のように曲がっています。
ここまでいくと、水圧では直りませんので
切断して鉄棒を当てがいながらハンマーで板金修理しなければなりません。
夜は騒音の出る作業は近所迷惑になりますので、この続きは明日ということにします。
パイプを切断し、潰れた部分をハンマーで整形して溶接。
その後、水圧で元の形状まで膨らましました。
しかし、そのままでは歪みが大きく車体に取り付けができないくらいパイプの向きが変わってしまいました。
結局、4箇所の切断面を削ってパイプの向き矯正して取り付くようにしました。
これはYZ85用なので調度ラインナップしていたので、取り付け治具があります。
治具に取り付けてパイプの向きを確認できます。ラインナップしていない機種は車体に合わせなければ取り付けの確認も、歪み矯正もできません。
切開板金しないで済む程度の凹み修理でしたら30分くらいの作業時間ですがこれは2時間かかりましたので、予想どおり普通の3倍以上の手間でした。しかし、取り付けできる程度に復元しただけなのでパイプの歪みは相当残っていると思います。やはり、新品に取り換えることをお勧めしたいです。
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