チタンパイプに砂を詰めて手曲げします。
これはφ35ですが180°曲げは相当な経験が必要でしょう。
バーナーで炙りながら金属の固さを腕に感じながら柔らかくなったところで曲げていきますが、失敗するとパイプが潰れてしまったり、内Rにシワがよったりします。
曲げ可能な最小Rというものがありますが、これは内Rで45Rです。太いサイズほど曲げRは大きくなっていきます。
ベンダーマシンはありませんので、手曲げ技術だけが頼りの作業です。
YZ250Fのノーマルエキパイを切ったものと比較ですが、遜色ないカーブを描いています。
オフロード用のエキパイはこれができないと形になりませんので必須テクニックでしょう。
フランジの部分ですが、YZは口元が2mm拡大しています。フランジで押さえるためのツバ出し加工もしてあります。
フランジはA2017削り出しです。量産ではチタンやスチールのプレートをプレス打ち抜きやレーザーカットするのが普通ですが、スタッドボルトの締め付けで撓んでしまいますので、A2017の厚さ10mmのほうが、撓まず放熱性も良いので採用しています。
後半のパイプはφ41.3ですが材料代が2mで16000円と高価なもので、2万円のエキパイを1本だけ製作すると完全に赤字です。2本作って材料代が払える程度ですから厳しい商売です。
こんな感じで購入した材料代を回収するために日々、仕事に励んでおります。
何故これを作るかといいますと、ノーマルエキパイに亀裂が入ったり、潰れたりして、修理を頼まれることがあります。修理可能な程度には限りがあります。その場合は新品購入をお勧めするのですが純正品でも相当高価なもので、なるべく出費を抑えたい要望に応えようとしているわけです。
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