2スト全盛期は老舗のチャンバー屋さんが沢山ありましたので、選り取りだったと思います。2スト全廃の今では入手困難になってしまったようで、今頃になって初めて作ることになりましたNSR250用チャンバーです。
左右非対称のチャンバーなので2種類の型を作らなければなりません。
先ずは90度V型ツインの前バンクの方から型を決めてレイアウト検討します。
ノーマルのアンダーカウル装着のため、エキパイのカーブもノーマル同様にしないと収まらなくなります。
その結果、オフロード車のチャンバーよりタイトな曲げカーブが必要になります。
前バンク取り付け状態ですが、このようにクネクネ曲がっています。
このあと、後バンクからのエキパイのレイアウトを検討するのですが、ラジエターとシリンダーの隙間を通って右側に出てくることになります。
エキパイのクロスは過去最高の難易度となるでしょうが、長年の経験で決めていきたいと思います。
後バンクのエキパイは前にラジエター、下に前バンクのエキパイが干渉するので狭い隙間を数ミリの隙間を空けて通っていきます。
これでクロス部分の取り回しが完了しましたが、テールパイプとサイレンサー2本の製作が残っていますので完成は来週に持ち越しということで、今週はここまで。
パイプ本体が出来たとしても完了には程遠いです。
サイレンサー2本作ってテールパイプの曲げカーブを決めて、サイレンサーの取り付けバランスを見なければなりません。
最初は溶接されていないパイプを手で持って取り付けバランスを確認しますが、離れて見ることができないので、目見当だけが頼りです。
接合部にマーキングして溶接して再度取り付けて確認という作業を繰り返します。しかもアンダーカウルも脱着しながらということで
作業時間は刻一刻と過ぎていきますので、お時間の約束をしても守れたためしがありません。
ひとまず取り付け完了しました。カウル装着すると全部隠れてしまいますので、この状態で撮影です。
今回も初めて作るチャンバーでしたが、製作するのに必要な図面やモデルも無しで白紙の状態から取りかかるのです。
しかも1週間くらいで仕上げないと商売になりません。他の仕事全部止めていますからね。
今回低い姿勢での作業が多く、無理な体位で腰痛が始まってしまったことが余計な悩みです。体の老化現象が確実に忍び寄っています。あと幾年続けられるか体力だけが頼りの仕事です。
先日、地域の盆踊り大会があって、今年役員をさせられていますので設営やら模擬店の手伝いにいってきました。このへんはホンダOBが多く居住されている場所で、定年になったOBの話を少し聞きました。
早期退社で退職金と厚生年金をもらって、金銭的には余裕がありそうですが、退職後の生活のことや在職中の職務の辛さなどを考えさせられ、どうしても、自分の立場と比較してしまうのは僻みというものでしょうか。
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