今回の修理方法を公開したのは、見知らぬお客さんからの依頼に応える目的ではありません。
貧乏くさく修理などせず、新しいエキパイを購入していただくことが2輪業界、アフターパーツメーカーにとってプラスになると考えているのです。実際、メーカー純正品、社外マフラーの販売元による修理は一切行っていませんし、整備士の正当な修理方法としては部品交換しかないわけであります。
それでは、何故このエキパイの凹みを修理したかというと、依頼者には幾度となくお世話になっていること
これが無限というメーカーの品物で数に限りがあるという2点が理由であります。
凹んだエキパイ単品を送られて来ましても修理過程でパイプが歪みますから歪みの修正が必要ですが、車体合わせ無しでは確認もできません。
安い修理代で直れば喜ばしいことですが業界としてはデメリットになりますので、修理方法は公開しましたから、直したい人はご自分で努力してみてください。
おそらく大半の人は部品買った方が楽だということに気づくでしょう。
パイプの前後を治具で蓋をして窒素ガス封入します。
圧力は10kg/cm2くらいが妥当でしょう。
酸素でなく窒素の理由は材料の酸化を少しでも防ぐ目的です。
パイプを加圧した状態で凹んだ部分を板金ハンマーで軽く叩きながら均していきます。
殆ど目立たない程度に修復できていますね。
パイプの曲げRが若干外に開きますので
内側に曲げ戻せば取り付けに問題は無くなります。
2輪レースでもロードとMXは異質なものだと思っています。人間とマシンの比率が、MXは人間の割合が大きいということです。マフラー取り換えたくらいでレース結果が大きく好転するとは思えないのですね。速さより音や外観といった嗜好の部分で選んでいる人が殆どでしょうね。
それからモータースポーツはプロの人は仕事ですから別ですが職業以外の人は部活動のようなものだと思っています。
私は中学時代は剣道部でしたから剣道やってない生徒と竹刀持って試合しても負けることはなかったわけです。2輪レースなら乗ることはもちろん、マシン整備や故障修理は2輪レースやってない人より出来るのが当たり前なわけです。
剣道だって竹刀や防具の手入れは自分でやって競技を続けるのですから、2輪レースで自分のマシンの修理を他人に頼んでいたのでは経験や技術が身につかないだけです。
私自身も最初は何にもできませんでした。30年以上やってきたから多少分かるようになってきただけです。体力は始めたころより大分落ちてますが・・・
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