90年代以降のエンジンはメッキシリンダーばかりなので、ボーリング屋さんにお世話になる機会もめっきり減ってしまいました。
ボーリング屋さんはボーリングのみならず精密な穴加工、平面加工も得意なのでコンロッド作ったりクランク改造したりで頼んだのが10年くらい前になりますが、久しぶりに井上ボーリングへ行ってきました。
DT125の傷がついたシリンダーのボーリングを頼みました。
サイズは0.5オーバーサイズで
ピストンサイズφ56.495
ボア φ56.5
ピストンクリアランス0.05を指定してきました。
空冷シリンダーなので水冷メッキよりクリアランス大き目に加工するのがセオリーです。
ホーニングは高精度なプラトー仕上げで依頼しました。
ホーニング仕上げ後はポートの面取りが必要です。
ボーリング屋さんでも頼めますが、自分で出来ることは他人任せにしないことがモットーなので、エアグラインダーで砥石切削します。
手仕上げですがC0.5くらいを目標に削っています。
加工後にミツトヨの面粗度計による検査データーを添付していただきました。
面粗度計とは金属表面をプローブ(接触子)で直線的になぞり、表面の粗さを計測します。
1ミクロン程度の精度が保証された計測ですが電気的に検出してアンプで増幅するので可視的に判定が可能です。
プラトー(高原)の名のごとく山の高さが平坦なホーニングであることが分かります。
通常のホーニングだと突出した山が削れるまで慣らし運転が必要ですが、これは慣らし運転時間が早く終了できる処理です。
エンジン積み込み完了です。
エンジン試運転も問題なくできました。
今回はYZチャンバーでピストン溶けたことによる修理だったので、ノーマルスペックのチャンバーで乗って帰っていただきます。
本来は軽トラで引き取りお願いするところです。
YZチャンバーをトライするときはメインジェット2ランクくらい濃い目にしてからセッティングしていただきたいと思います。(製作業務が停まってしまうのでオーナーさん自己責任でお願いします。)
試運転中、テールランプが切れているのに気がついたので、我社から徒歩3分のモトグラッドさんへ行って6V用の電球を売ってもらいましたので、この仕事はこれにて終了!
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