ビフォーアフター

チャンバーのリプレイス品を作る仕事をしておきながらアレなんですが、モトクロッサーの純正チャンバーを超えるものは無いと思っているのです。
それはエンジンを設計製造できるメーカーが決めたスペックをエンジン作れないマフラー屋が超えることは出来ないからです。仮に性能のいいチャンバーができたとしても、それはメーカーが決めたスペックを基にモディファイを繰り返した結果であり、ゼロからスタートしたわけではないからです。
しかも、一回の製造ロットで1000台単位を1ヶ月足らずで作ってしまう生産能力ですから、品質と生産数で社外品メーカーでは比較にならないでしょう。
では何故、私がリプレイス品を作り始めたかというと、今回のチャンバー加工に答えがあります。
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ホンダの2スト最終型、05モデルCR125の純正チャンバーです。

ホンダ製の特徴であるシーム溶接(ガソリン缶の製法と同じ、気密性に優れる)
の部分を削り取ってあります。
後で溶接するのですが
目的はチャンバーのボディ剛性を上げてパワーアップすることです。
中級のライダーですとメリットを感じないレベルですが、トップクラスになると加速域やピークパワーの部分で僅かでも有利になることを望みます。

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塗装も全部剥がします。
鉄板は直接空気に触れた方が良い。
ワークスパイプに塗装が施されないのと同じ理由です。
塗装やメッキは鉄板を保護して放熱が悪いのです。
排気ガスの温度はガスの流速や圧力と密接な関係にあります。
高温のガスは流速が早く、低温だと遅くなる性質があります。
即ちパイプが熱いときは高速型、冷めたときは低速型に変化するということです。
そのためには排気熱に対する応答性がよい薄板の鉄板で未塗装であることが最適なのです。
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さらにバフ研磨で表面を滑らかにします。
これは泥の付着を防ぐ目的と(軽量化と放熱性)
鉄板の表面粗さを少なくして水の粒子を留めなくすることで腐食(酸化)を防ぎます。








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そして削ったシーム溶接部分を再溶接して完成です。

私が最も使いたいチャンバーの仕様はこういうことなんです。

しかし、そのためには新品の純正チャンバーが必要です。パイプの内部にオイルが付着したものは同じ性能が出せないのです。

そこで新品の部品代があれば材料から手作りして同じ性能が出せればいいのではないかと考えてリプレイス品を作り始めたわけです。
理想はメーカー純正品であることを重ねて申しあげておきます。

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