KX85チャンバー

2014年KX85のモデルチェンジが成されましたが、チャンバー、サイレンサーに変更はありませんでした。これは大物の金型変更には多額の費用が必要なため、エンジンに仕様変更があっても可能な限り流用したいという営利面の都合があるためと思います。
我社はKX85用チャンバーは90年代からラインナップしてきましたが、製造に関する考え方も変わってきているため、新たに作ることにしました。
CIMG3620.JPG
まだ途中ですが公開します。

エキパイ径が拡大され、チャンバー本体はノーマルより6mmだけ短くなっていますが大体同じ仕様に留めてあります。
最も大きな変更点はテールパイプを短くしてあります。
KXやRMは古いタイプのチャンバーレイアウトでアップタイプなので、テールパイプが長くなっています・
細長いテールパイプは排気の抵抗になるわけですが、短くすることで排気抵抗が減るでしょう。
そのためにはチャンバーレイアウトの変更が必要です。
CRやYZはローボーイタイプの取り回しになっているのでテールパイプが短いです。それと同じ効果を狙ってみました。
これから実走して確認していく予定です。
サイレンサーもこの機会に新作します。

CIMG3622.JPG
サイレンサー従来品から変更した箇所はこれです。

パイプエンドの水平部分が最低30mm必要という車両規則に準じて新作しました。
従来は、CRやYZ同様のアップサイレンサーのパイプエンドと共通だったため、
エンドパイプの垂れ角が少し下向きだったのを水平に是正した格好です。

エンドカバーの溶接痕も研磨して美装に努めましたので、新感覚になりました。



CIMG3626.JPG
今回は大塚選手の要望により、従来品より30mm短いサイレンサーボディにしてあります。
最近の流行は2ストの短いサイレンサーだということで、どのような効果を期待するかといいますと
排気の抵抗が減ります。吹け上がり、伸び共に向上すると思いますが、気をつける点は体重の軽いライダーでないとトルク不足の傾向が出ると思われます。
エンジンは負荷を与えることで物理上の仕事をしたことになります。
空ぶかしではどんなにエンジンが回ってもピストンやクランクが運動するだけの仕事しかしていないはずです。
質量のあるものを一定時間にどれだけ移動させたか、ということが仕事なので、燃焼室の圧力がパワーの元ですから、適当な排気の抵抗が圧力の抜け過ぎを防止する効果があります。なので燃焼圧力と排気抵抗のバランスを考慮する必要があるのです。
音量的には2mMAX法だと楽に通過するそうなので、思い切って変更してみました。
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頼まれてないけどエンドカバー
ラッピングしておきました。

2ストマフラーの熱であれば溶けないはずです。アルミ地より傷が付きにくいと思います。

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