KDX125サイレンサー

絶滅危惧種と、2輪車の排ガス規制に伴い新車の製造販売が中止された機種全般を指して、呼ぶことがあります。廃販になって15年以上経つのですが、それより少し前に創業した弊社ではその年代のマフラーのラインナップが拡充されつつある時期でした。
いまでもトレールモデル3機種は、HYSでチャンバーとサイレンサーをラインナップ継続していますが、年間を通じると注文が絶えたことがないので廃止にできません。
治具類も古くなって維持や保管も難しくなってきますので、およそ3年を目途に注文がなかった機種から治具廃却することにしておりますので、その後は電話やメールで注文されても対応不可能になります。
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治具とは、このように車体あわせ無しで取り付け位置を固定できるものを指します。
需要のないもの、ワンオフ製作したものまで治具製作することはありません。
過去の注文状況に応じて再度作る可能性があるものだけを任意で製作しておりますので、需要のない機種の治具が溜まっていくんです。
ですから3年くらいを目途に廃却しているというわけです。
2ストトレール3機種に比べると需要の少なかったKDXは全く対応しておりませんでした。
偶然、知人がKDX125SRを持っていて
チャンバーとサイレンサーの製作を依頼されたので、ついでに作っておいたのがサイレンサー治具でした。
チャンバーはと言うと、当時のK車のチャンバーが嫌い(レイアウト的に)でやりたくない仕事だったからです。嫌いな理由は、当時のK車の車体デザインに関わることですが、普通はエンジン設計が先で、そのエンジンをマウントする車体をモックアップしていく作業になりますが、K車は車体デザインが先に決まると聞いたことがあります。そのため大物の変更しにくい部分はそのままで、排気系などの後で変更可能な部品の取り回しに皺寄せが集中することになります。
そのためK車にありがちなクネクネとパイプが曲がってエンジンやフレームの干渉を避ける形状が不恰好だと思っているのです。
クネクネとカーブが多いパイプは設計どおりの性能も発揮しにくいということになります。
過去を振り返るとK車の活躍した人気車種は排気系のスッキリまとまったものであることに気がつきます。
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そういうわけで、作りにくいチャンバー部分を見なかったことにしてサイレンサーだけラインナップとしたわけです。

サイレンサー本体はスッキリしていますがリヤフレームのマウント部分は後付けのデザインの象徴で位置の揃っていないステーが二ヶ所溶接されています。

アルミサイレンサーは全て自家製バフ仕上げですが、アルマイトやめっき処理でコストアップすることを避けたいです。
利点は外観が良くなることと、金属表面が滑らかになることで水の粒子が留まりにくくなります。そのため腐食の進行を遅らせることができます。
分離混合ガスの宿命で排気したオイルが排気管内に溜まっていきます。そのためオイルで湿ったグラスウールを容易に交換できる構造になっています。組み立て後、加締めはアルミリベット4箇所でOK。
絶滅するまで治具は残しておきますが、自分が先に滅ぶ可能性もありますのでご了承ください。


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