カーボンサイレンサー修理

ウエットカーボンなので高温に耐えられないことはご了承済みと思いますが
お客さんと協議の上、損傷した時点でカーボンパイプを交換するという前提でのサイレンサーです。
ワークスレーサーのようなドライカーボンを使用すれば耐久性は格段に向上すると思いますが
以前、別の機種でドライカーボンの見積もりを取ってみたところ、サイレンサーの材料代だけで
本体価格の10倍以上が必要と分かりましたので断念した経緯がありました。

ですから、これはあくまでカーボンファイバールックの樹脂パイプと捉えていただきたいと存じます。

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KX65なので子供さんのモトクロスに使用されているものでしょう。
半年くらいでメンテナンスのため送られてきました。

案の定、熱で溶けて、サイドカバーの縁が食い込んで穴があいています。

リベット穴も緩んで、アルミキャップに動揺がみられます。
このまま使用続けると確実に破損してしまうので丁度良い時期だと思います。




CIMG4366.JPG

弊社商品なので格安の千円で交換しますが、2台で36箇所のリベット穴位置を合わせて空け直して組み立てるのに半日費やします。

排気ガスが樹脂パイプに直接当たらないように内壁にガスケット材を仕込んでおきました。
しかし、リベット穴の磨耗は対策不能なので
定期的にメンテナンスするしかありません。





CIMG4367.JPG

ハイ、フレッシュなカーボンパイプに直りました。
リベットも新規カシメなので、パイプの動揺はもちろんありません。

これも、他人と違った方式を貫くための涙ぐましい努力です。








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ついでにチャンバーの凹み修理も依頼されましたが、全体の歪みに加え
凹みの大きさよりも、鉄板の伸び具合が修理の可否を左右します。

このようにエキパイ外径の小さい場合は圧力で直すとき荷重を受ける面積が少ないため殆ど戻りません。

窒素封入してバーナーで炙る手法もありますが、専用治具を作る気力が無くて
切開して叩き出すことにしました。



CIMG4370.JPG

鉄板の歪みが大きくて、元通りというわけにはいきませんでした。

大変見苦しい修理痕でありますが、再使用に不都合はないと思いますのでお許しいたいとう存じます。

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