期限が決まっている仕事なので業務連絡です。
TDR125のエキゾーストは5年以上前に作った覚えはあるのですが
2度と作らないワンオフのつもりだったので、何にもデータが残っていませんでした。
なので、またゼロから作り始めました。
チャンバーの諸元をどれでいくか
オーナーさんの要望を聞いて
過去のデーターを引っ張り出し
適当なものを作ってみますが
取り回しが中々うまくいかず
何回もやり直ししています。
期限が決まっているので
与えられた時間は僅かです。
その中で結果を出すしかない
緊迫の時間です。
人間は困ったときに普段と違う集中力を発揮するようです。
何故TDR125改か?
ATHENAの170ccキットパーツを組み込んであるそうです。
当然ナンバーも小型二輪登録なので
高速道路走れます。
排気量に合わせたモディファイもあるんですが、ノーマルでも回転の頭打ちが早かったそうなので、その対策がメインです。
大体、高回転の伸びないエンジンは
低中速のトルクが出ていて、一般道路で乗り易かったりするので悪いことではないですが、
その低中速域を損ねることなく高回転を伸ばすとなると高度なテクニックが要求されるでしょう。
最初は回転が伸びないエンジンに対してはレーサーのスペックにしてみようとチャンバーの諸元を調べたら、YZとTDRはあまりにも違っていて
おそらくYZスペックのチャンバーでは回ったとしても高回転だけで低中速のパワー感のない特性になることが予想されるので、これは却下。
やはり一般道走るには、発進が楽で加速が良くなければ評価が悪くなると思いますので
低中速は無視できませんね。
それから10000rpmから始まるレッドゾーンの手前で加速が鈍る傾向はECUのリミッターが作動していると思います。
点火時期早めていくとノッキングのようになって回転が伸びなくできます。
エンブレにならないように絶妙に頭打ちしてくるので乗りにくさはありません。
排気系で改善できなければ「GET」とかのECUを探してみるといいかもしれません。
実際ATHENAとGETは提携してチューニングパーツを開発しているようですから。
狙い通りの出力特性をエキゾーストの製作一発だけで実現することは無理だと思いますが
元から付いているものよりは上回りたいですね。
月曜日の時点でチャンバーは取り付いているので火水曜でサイレンサー作ってギリギリ間に合う予定です。
今週は全日本前でもっと緊急な仕事を頼まれているので、待ったなしの状況です。
サイレンサーはオーソドックスな丸パイプ
エンドパイプは後方の排気ガスを下向きにする形状。
後ろからTR250でついてくる奥さんにオイルを吹きかけない配慮です。
夜、冷え込んでいるのに取りに来られました。
圏央道を走って帰られるそうで
高速性能はどうだったでしょうか。
昼間試乗してみましたが
加速はいい感じだったですが
あまりスピード出せませんでしたので
確認できていません。
オーナーさんは170cc組んだときに
ダイノジェット計測されていましたので
キャブセッティングも含めてお任せすることにします。
参考までにパイプの全長でYZより長く、TDRより短いです。
エキパイ径はTDR相当、
ダイバー部TDRよりテーパーきつく、コンバー部YZ相当というモディファイでした。
あと気になったのがYPVSですが、ボアアップだと排気バルブのラウンド形状も拡大されているはずです。
ノーマルでも回転の伸びは同じくらいだったそうなので排気バルブの開閉タイミングも影響あるのかなと。
可変ポートタイミングの方法は排気ポート形状に加工されたドラムが回転してコントロールします。
ヤマハは電子制御でモーターを作動させ、ワイヤーで連結したドラムを回転させて行います。
確認の方法はドラムの横にあるカバーを開けて、予め全閉と全開の位置をマーキングしておき
エンジンをかけて目視でドラムの動きを確認します。
全開になっていなかったら高回転伸びないということですが
タイミングが合っていればメーカーの設定した仕様ということになります。