一般的にチタンマフラーは軽いと思われがちです。
実際はちょっと違うと思います。板厚が同じならアルミマフラーの方が軽いはずです。
その理由は比重を見れば一目瞭然です。
比重(同じ体積で水を1として比較した重量)
Fe 7.8
Ti 4.5
AL 2.7
Mg 1.74
チタンは鉄とアルミの中間なので、同じ大きさのマフラーならアルミの方が軽いはずです。
それから見落としがちなのはグラスウールの重量です。
容積の大きいマフラーほどグラスウールの量が多いですから、外側の金属が軽くても
グラスウールの量が多かったり、湿っていたりすると重量が増えるわけです。
ではチタンのメリットは何かというと、アルミより硬いということです。
同じ荷重で変形する度合いがチタンの方が少ないでしょう。
しかし、クラッシュして直接荷重を受けて凹まないわけではないので
今回の修理品のように最初は横からの荷重で歪みが入っただけだと思われますが
エンジン回転と同じ周波数で振動する板に歪みが入った部分が加工硬化して
応力集中して亀裂に至ったという経緯です。
亀裂がクモの巣状に進展してしまって
板金修理は不可能な状態でした。
これ以上亀裂進展しないように
外側にチタン板を当てて溶接しました。
ツインウォールの部分は強度アップされています。
しかし溶接時の熱歪みで内側と外側の板が離れようとして隙間が開いてくるので
溶接は均一にはできませんでした。
隙間が開きそうになると溶接棒を入れて
埋めていかなくてはならないからです。
買う時は高価なマフラーだったと思いますが
凹まして亀裂が入るようになったら
諦めて新しいのに換えることをお勧めします。
持ち主には今度割れたら、アルミで巻いて作ると伝えておきました。
今月2本目のCRM250チャンバー
ARじゃなくて初期型でした。
初期型はラインナップしてないので
車体お持ち込みいただいて
ワンオフ製作です。
車体合わせ手間はかかりますが
取り回し確認できて安心です。
確実に取り付け保証できますからね。
CRMも純正部品廃番になっていて
オーバーホールも難しくなっています。
下側のラバーマウントステーも廃番で
入手不可なんですが
ラバーが8割剥がれてマウント不能になっていたので
ラバーの中心を貫通ボルトで固定して
再使用しました。
いずれマウントステーも作るようです。