2017年12月アーカイブ

ナナハン・ライダー早川光タイプ来た。(劇中のはK1だったかな)

CIMG6708.JPG

オーナーのE露さんが高校時代、福岡で
ヤマハHT1に乗ってモトクロスしよったら
デビュー前の光安鉄美に遭ったそうです。

これはK3だそうですが
マフラーがガラン胴でイイ音がするんです。

公道走れるオートバイでは、この音が最高だと多くのヒトが思うでしょう。







CIMG6726.JPG

今回の依頼は2番マフラーが腐食と振動で割れてしまっていますが
直して使いたいということ。

中古品も捜したが、どれも似たような物に法外な値段が付けられているそうで、手が出せません。


鉄板が欠損しているので、部分的に作って移植することにします。




CIMG6728.JPG

スペアの2番マフラーから形状を測り
鉄板を巻いて欠損部分を作りました。



部妙にカーブしているので目検討で合わせます。
間違ったら取り付かないマフラーになるので
重要な工程です。


HM300が前期型



CIMG6730.JPG


車体治具にして溶接仮止めにします。

実は左2本マフラー組み合わせたとき
若干の狂いがあって
フレームのマウントボルト(タンデムステップ共締め)を締めると
マフラー後部の連結が合わず
一回やり直しました。


4本マフラー難しい。




CIMG6731.JPG

スペアマフラーと比べながら
睨んでいますが
車体取り付けないとわからないんですよ。


時々マフラーだけ送って修理してほしいと頼まれるのだけど
車体ごと来ないのは全部お断りしてます。
ホント分かんないんですから。




CIMG6732.JPG




今度こそOKかな。

新品復元が目的じゃないんで
シルバー耐熱塗装で錆止めです。

よく見えないところなんで、オーナー了承済みです。







CIMG6733.JPG


エンジンかけて、排気音聞いて完了です。









これにて年末進行終了です。

どなた様もよいお年を。












年末進行第2弾、ハスラーのダウンチャンバー作り

CIMG6714.JPG

外出しのキックアームに交換したので

ダウンチャンバー製作にこぎつけました。













CIMG6715.JPG

TM250タイプダウンチャンバー

タンデムは無理かもしれません。
オーナーに承認済み







明日、マウントステーとサイレンサー作りますが
フレームにマウントブラケットが溶接されてないので一工夫が必要です。



CIMG6716.JPG

ノーマルのアップチャンバーを取り付ける
ネジ穴は使えない位置にあるため

フレームに未加工でダウンチャンバー取り付けるための
アダプターを製作しました。

サイレンサーステー
M8ボルト用ラバーマウント
フレームクランプ




CIMG6718.JPG



キックアームのクリアランス
十分開いています。

これでもノーマルキックは当たるんです。











CIMG6717.JPG



サイレンサーは200mmショートタイプ

テンションスプリングとマウントステーで
確実な固定を行いました。











CIMG6720.JPG

ダウンチャンバー取り付け完了

TM250タイプです。


バッテリー上がりで始動はできませんでしたので音は聞いていません。(きっとすごい音がするだろうな)








CIMG6721.JPG

ダウンチャンバーはこの角度から見るのがイイですね。


なんとか年内納品できます。 ヨカッタ









あと一件難題残っていますので年内完了できるかどーか。

ホーリーさんからクリスマスプレゼントが届きました。

CIMG6705.JPG
ハスラー250の76年型に
ダウンチャンバー付ける計画があるのですが
ノーマルのキックアームは外側に回らないタイプなので
ダウンチャンバーに当たってしまいます。

そこでハスラーに取り付ける外側に出るキックアームを捜していただいたものです。

スズキ純正部品で検索しましたが、殆ど入手不可になっているので
別機種であってもキックスピンドルに取り付きさえすれば使えるであろうと考えました。



CIMG6706.JPG

運よく1本だけキックスピンドルに適合するものがありました。

左がノーマルのキックアーム
右が選びだした一品

高さもノーマルより低いので
ハスラー250のアップチャンバーでも装着できると思います。







CIMG6707.JPG

ノーマルのボスがクランプ式なのに対し
アルミのアームはセンターボルト式なので

クランプ式に改造して使います。

抜け止めのサラビスの頭がナメていて
緩まなかったので
クサビで叩いてもダメでした。
ネジが錆ついて緩まない場合は
頭に溶接で突起を持ってモンキーで挟んで回します。
メスネジが熱膨張するので、大概緩みます。



CIMG6712.JPG

ボス加工完了

ボロ隠しにシルバー塗装してあります。













CIMG6713.JPG

キックスピンドルにとりつきました。

ノーマルチャンバーのヒートガードにアーム先端が触る以外は問題ないようにみえます。

ボスを奥まで差し込むとアルミのキックは厚みがあるため、ケースと擦ってしまいます。
なので、手前に少し出してクランプボルトを締めると問題なく使用できそうです。

これでダウンチャンバー製作の見通しが立ちました。



作り始めて20年は超えているCRM250サイレンサーに関することですが
当初はトレール車のエンデューロレースが盛んにおこなわれていたので、
競技用として売っていたんです。
それを公道走行に使用しても全く構わないわけですけど、
リヤフェンダー後部にウインカー、テールランプ、ライセンスプレートなどが取り付いていて
調度サイレンサーの出口の真後ろ(20cmくらいは離れていますが)にあるため
排気ガスで汚れてしまうという難点があります。
KDXなどはサイレンサーエンドがウインカーから離れているため、それほど問題ではないようですが
CRMはちょっと対策した方がいいかもしれません。

CIMG6678.JPG

レース用は後ろから衝突する場面が多いので突起物を無くし、サイレンサーエンドは丸めることが定石ですが

公道で後ろから衝突したり、後ろ向きにひっくり返るということは
通常ではありえないですね。

だからエンドパイプを曲げて排気を斜め下方向に逃がすということも
ウインカー廻りの汚れを気にするなら
必要なのかなと思いました。

これは以前に納品した先輩のCRM250R2型のサイレンサーですが、リクエストにお応えしました。
(昼ご飯と現金2千円で)

CIMG6680.JPG

斜め横向きにしてあります。

パイプエンド下向きにするメリットはもう一つあります。
屋内保管の車両は関係ないですが
水平方向のパイプエンドは雨水が侵入します。
特に放置車両は水が溜り続けてチャンバーが満水になり排気ポートからクランクケースに達します。
こうなるとクランクシャフト全損になります。

マシン大事にしている人からすると信じられないことですが、何台も見てきました。
必ず決まり文句があります。
「キックが下りない」
あたりまえですね。
先月、四国へ帰ったときに讃岐のMさんから頼まれたエキパイ成形です。
ヤマハの最初のトレール、DT1のレーサーを作っておられましたが、エキパイの180°曲げの部分だけ
担当させてただくことになりました。

CIMG6668.JPG

これが本物から切り取った見本です。

実用に耐えないことは明らかですが
原型が残っていれば採寸できますので

これを元に作ってみたいと思います。










CIMG6669.JPG

本物のパイプは、この通り丸くありません。

そこで、真円パイプに置き換えた寸法を決めることから始めます。

周長を測るということでもいいですが
楕円断面の最大と最小の直径を測り
平均してみました。

目標値φ47






CIMG6670.JPG

展開図

2枚合わせてパイプ1本になります。













CIMG6671.JPG

外周を折り曲げて突合せ溶接します。

口元に水圧ポンプ用の金具を溶接すれば
膨らまし準備完了です。












CIMG6672.JPG

膨らませました。

展開図より曲げ角度がきつくなっています。

実物より若干緩いカーブにする必要があります。










CIMG6673.JPG

曲げカーブは合っていますね。
現物が太いようにみえますが、扁平になっているので、これで同寸です。

経験値がありますので
大体一発でできます。

外径は誤差0.5mmくらいになっています。
実用上問題ない範囲でしょう。









CIMG6674.JPG

口金はMさんが加工するので
パイプの成形はこれにて完了です。



作業時間4時間でした。

思い立ったら、その日のうちに出来る時間ですね。
役に立てれば幸いです。