アルミタンクのワンオフ製作ですが、コストが掛かってもモデル製作して形状デザインするべきだと思います。
今回は予算の都合で10万円を切らなくてはなりません。
モデル成形やプレス金型作っていては絶対に不可能な金額なので、成形に必要な工程を
全て省いて、板金と溶接だけでアルミタンクを作ることになりました。
モデルも型も無いばかりか初めて触る車種なので、タンクの形にすることが容易ではありません。
まだ途中なのですが
お客さんから催促の電話も入るので
(完成してないのに引き取りにくる日程は決められています)
溶接ビードは研磨して
外側はヘアラインか、時間があれば
バフ仕上げにしようと思っています。
いかにもアルミタンクらしく塗装はしないようです。
地金の肌だけで勝負ですね。
大きいエンジンなのにラジエターや冷却ファン、FCRキャブレターなどで
タンクの下側スペースに余裕はありません。
いろいろな部品を避けるために複雑な形状になりますので、アルミ板を切り貼りして作っています。
一応マウントブラケットやガソリンコックのなどネジ加工は終わって取り付け確認できました。
あと一日かけて今回のタンク作りのクライマックスに掛かります。
タンクキャップです。
近年2輪のタンクはカバーに覆われた
インナー・タンクが主流となりつつあります。
タンクが露出してなければ転倒などの外力で損傷することもありません。
それは安全性の目的もあるのですが
ロードレースではタンクキャップがタンク上部に突き出ていることさえ禁止しています。
昔のタンクはネジが突き出た形が当たり前でしたが、これからは口金が突き出たタンクは作られないことでしょう。
オンロードモデルではエアプレーンタイプの
フューエル・リッドが20年以上前から主流であることも、あるべき姿だったのかもしれません。
今回のはタンク上部がノーマルより高い位置にあるため、なるべく低いタンクキャップを作る必要がありました。
ネジで開閉するのではなく、バネでパッキンを押さえるタイプのキャップです。
旋盤とフライスで切削加工で作りましたが、見本もないので私のオリジナル設計によるものです。
タンクを浴槽に沈めてエア漏れチェックしています。
お湯なので内圧が上がってピンホールが
開いているなら気泡がでてくるはずです。
気泡は確認されませんでしたのでガソリン容器として使えるでしょう。
容量は満タンでちょうど13L入ります。
キャップが付いたので完成ですが
簡単ではなかったです。
何事も初めてやることは順調にいかないものです。
今度同じことがあれば経験値になるのですが、同じ物は作らないのがワンオフ製作ということです。
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