毎回取り回しに悩みラインナップを避けてきたKDX125SRチャンバーの組立て治具を作ってみました。
夜勤の派遣業務の合間ですから非常にタイトなスケジュールで1分一秒も無駄にできない感じなので
お問合せの電話などはご遠慮いただき、メールでの質問でお願いします。
まず、設計寸法に従い鉄板を膨らませてパイプを作ります。
ハイドロフォーミングという呼称は正しくありません。
高圧の水圧成形には素材の外側に金型が必要で、圧力も2000気圧かけて行いますが
これは金型は使いません。
自由成形で圧力も50気圧程度です。
正式なハイドロフォーミングとは全く違う理屈で行われていることがわかります。
このパイプ素材から必要な部分を切り出して溶接していくわけですが
KDXのどの部分が難解な取り回しであったか以下に示します。
右側シュラウド下
オイルタンクとの隙間
数ミリの隙間しか取れません。
個々の隙間を空けるためには
KIPSカバーの隙間が無くなってきます。
KIPSカバー隙間
今回は余裕持たせた分上寄りになっています。
全体の形状に影響するのでここだけの隙間を考えていては成り立たないのです。
キックアームとブレーキスイッチの隙間
今回はブレーキスイッチのゴムカバーとギリギリになってしまったので
スイッチカバーをタイラップでフレーム側に引き付ける処置を施させていただきました。
自分のマシンならスイッチの移設をしたいところです。
ホーンの隙間
ここも調度チャンバーを通したい位置にあるため、形状で逃がす必要があります。
やはり、自分のマシンならホーンの移設をしたいところです。
ラバーマウントステー
当たってはならない部分に注意を払うあまり
マウントステーの位置に余裕がないことが発覚。
パイプ全部溶接した後なので
なんとかギリギリ収まった感じです。
ヲーターホースのバンドは完全にボルト頭に被っていたのでバンド位置を変えさせていただきました。
このようにボルトオン?ではありますが若干の手を加えていただいて取り付けしていただくことになります。
この形状でパイプ位置、車体との隙間関係を記した治具を製作しました。
口元とテールパイプ位置はノーマルチャンバーを取り付けて確認しましたので
口元とテールパイプの関係はノーマル同等になっています。
一応これで車体預かり無しで受注生産可能になっているはずです。
お預かり車両と治具製作品の初物になります。
サイレンサーは社外のが付いてますが
ノーマルが取り付く治具で確認してあるので
別の車体でも大丈夫のはずです。
参考までに
当KDXチャンバーは90年代KX125スペックをモディファイして設計されており
実車での走行確認、キャブセッティングも標準でOKでした。
最もノーマルと違うと思われる点は重量で、
チャンバー単品の比較で、ノーマルが4.2kgに対し
当社品が1.4kgになっています。
あと右側に倒すと必ず凹みそうなパイプの形状もかなり内側に追い込んであるので
転倒によるダメージも軽減できると思います。(コケないのが一番)
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