丸断面サイレンサーKDX125

今4月中旬のご注文分を作っています。4か月お待ちいただいての製作ですから
今注文されると年末ころ出来るという状況ですね。
よく納期の問合せを受けますので、ラインナップ品なら大体それくらい
ワンオフ製作はもっと先になるでしょう。
要するに受注生産なので直ぐ欲しい注文は無理ということなのでご注意ください。

今回はラインナップ品KDX125SRサイレンサーの特注で
丸断面とエンド曲げパイプ付きになります。

CIMG7174.JPG

治具に取り付けて作っています。

サイレンサー断面はφ70です。

90年代からオフロード車のオーバル断面が流行りだしたのですが
依然は丸断面が当たり前でもっと小さいものでした。

ところがオフロードレースでも騒音規制されるようになり、消音器の容積をアップするデザインに変わってきて、
横幅の狭いオフロード車のスペースに収まるように幅を詰めた楕円断面に移り変わるのでした。

CIMG7171.JPG

本来、排気ガスの膨張はパイプに対してラジアル(放射状)方向になりますので
膨張室の丸断面が理に適っているはずで
同じ表面積の板材からパイプを作った場合
新円が最も容積が大きく
3角形が最小になることから
消音性能的に新円が一番有利であると言えます。
パイプの展開面積=金属材料の重量ですから軽量化にも寄与します。

付け加えると排気ガスが音速で消音器内部の壁に衝突を繰り返して減衰していくことを考えると
パンチングパイプから消音器内壁までの距離が遠い方が音の減衰が働き(即ち大きいマフラー)
同時に膨張速度を抑え、熱を吸収するグラスウールが介在することで消音が機能します。
CIMG7173.JPG

ではサイレンサーが大きいとどうなるか。

消音器内部の圧力は下がりますから
排気出口の勢い(流速)は衰えます。
よって排気速度が落ちるということです。

だから騒音規制のないフォーミュラ1やドラッグレースなどは高回転回すためにサイレンサー無しです。(モトGPは小さいのが付いている)
ところが一般車両やオフロード車は低中速の扱い易さが重要なのでサイレンサー無しではそもそもうるさくてあり得ないですが
充填効率が落ちてパワーダウンしてしまうのも適切な排気抵抗が運転性に関係してくることを表しています。
CIMG7175.JPG


サイレンサーエンドの曲げパイプは
ウインカーやライセンスプレート回りのオイル汚れを防止するためと
後続車にも優しいと思います。

エンドパイプのテーパーカバーは、衝突突起物を無くすように考案した私オリジナルのデザインですが
KDXのようにサイドカバー内側に引っ込んだ位置のサイレンサーには必要のない形状ですから、これでいいのだと思います。










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