MXレーサーには安全性のため駐車スタンドを装備していませんから、走行毎に箱型かリフトアップスタンドの世話になる必要があります。最も頻度の高いエクイップメントかもしれません。
何度も使用するから使いにくさがあっては、緊迫した状況の中ではストレスになる原因になるでしょう。
現役時代から自作スタンドを使うことがトラディショナルであったのですが、最近スタンド作ってないなと思い、気がつけば最後に作ってから15年くらい経過しました。
15年使ったスタンドですが、給油などのメンテナンスを行えば何の問題もなく使えるのですが、
マシンは何台も入れ替わっているのに、スタンドは同じままです。
久しぶりにニュータイプのリフトアップスタンドに更新することにします。
アルミ角パイプで組み立てた、リンク式の
リフトアップスタンドです。
見本になるものはありませんので
加工寸法はオリジナル設計になります。
摺動部分が多いので、滑らかな動作を行うためには寸法管理が不可欠です。
それから、溶接部分も多いので
アルミ材が歪んでしまい、摺動部分の動きを妨げてしまいます。
そこで歪み矯正とアニーリングが必要になります。
具体的には歪み矯正は外力を加えて直し
拘束した状態でアニール(焼鈍し)して常温まで冷えれば設計した形状に直ります。
2本の柱はフラットバーから削り出し、
軽量化と摺動面積を減らす目的で
溝加工してあります。
ピボットも軸が狂わないようにアルミブロックから削ったものを溶接しています。
作り方の要点として
部品を仮止めしたら、リンクが作動するか確認しながら作業を進めます。
一気に溶接していくと歪みがでて組立たなくなる可能性がでるでしょう。
一般に売られているスタンドで満足できない理由として、運搬しやすさがあります。
パドックや洗車場へ持ち運ぶために、片手で持てる軽量さが必要なのでアルミ製にしました。
それから、トランポ内の狭い荷室に積み込む際、コンパクトであることが重要で
リフトアップ機能をやりやすくするフットペグを脱着式にしました。スクエアシャフトを差し込んでM6ボルトでロックするだけです。
またスタンド掛けする動作を車両の左右どちらでもできるように、両側ブランクの角材を溶接してあります。
スタンド組立てできました。
作動良好です。
スタンド下りた状態の高さも重要ですね。
ダウン時、300mm
アップ時、400mm
高さ調整は、リンクシャフトの軸距離を変更するか、上面に板材を追加したりします。
滑り止めラバーはMTB用タイヤのリサイクル品です。
フルサイズMXerも楽々リフトアップです。
解除するのも簡単、フットペグの下につま先を差し込んで持ち上げるだけです。
以上、快適MXライフのための道具作りでした。
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