2020年5月アーカイブ

今日は金曜日ですけどモトクロス練習しました。
平日になにごとか!と言われても、この3か月は土日も全部仕事でしたから、平日に運動して
何も悪いことはないでしょう。

IMG_0691.JPG
自宅から30分で来れて平日もずっと営業しているオフロード・ヴィレッジ。

ありがたいですね、この時期絶対儲かってないはずですけど。
維持していくだけで至難の技だと思います。

レースのためではありません。
この体力的にハードでスピード感のあるスポーツは高齢者向きではありません。
単独で転倒する可能性もあるし、走行台数が多ければ他人を巻き込んだり、自分も被害を受ける確率が高まります。

だから体力の衰えかけた年輩は空いている日に走行できることがありがたいのです。

ハードパックのギャップが多い路面でタイヤのトラクションは失いやすく、サスの働きと体の柔軟性で衝撃をいなす乗り方に徹して乗っています。
2020年モデルのKTM350SXはトラクションコントロール・オン、オフ選択でき、パワーモードも2種類、#1は標準、#2はアグレッシブという意味でハンドル手元のスイッチで切り替えできます。
ハードパックでは#1が断然乗り易いです。
TCオンならアクセル急開時にエンジン回転数が4000rpmで抑制してからスムーズに回転上昇してくるので、下手なアクセルワークでもタイヤがスリップし難い性能を発揮します。
車体をリーンさせることでスリップするのは抑えられませんのでスライドのテクニックは通常どおりです。

IMG_0692.JPG

CRF450からFI車乗るようになって、タイトコーナーでのエンストがネックになっていたのですが、KTMのFIはエンストし難いので、タイトコーナーの憂鬱が解消されました。
それでも、今日は一回エンストしました。

ところが素晴らしいことに、エンストと同時にクラッチ切って惰性で動きながらセルで再始動、停車することなくリカバリーできました。

走行ライン上で停車することは危険です。特に後続車にとっていきなり避けきれない障害物が現れるわけですから、エンストの罪は重いです。


もうキャブ車やキックスターターのマシンには戻れませんね。

そういうわけで健康維持と老化防止のため平日練習はこれからの生活スタイルです。
天気が良いためか10台くらいは走行に来ていましたが駐車場が広いので「密」になることもなく新時代の幕開けです。


余談ですが、正回転(ダイナモ側から見て左回り)のエンジンはクランクシャフトの慣性モーメントと
一次減速のギヤを介してエンジン単体を後ろ側へ転がそうとする力が掛かっています。
車体全体としては、ドライブチェーンの張力によるリヤサスのスクワットやフロントフォークの反発力などが
組み合わさってアクセル開けるとウイリーになりやすい乗り物であると思います。
ウイリーのメリットは段差を超えたり、人前でかっこつけたいくらいのことだと思いますが、前に進もうとする動きに対してはデメリットとなります。
上手な人じゃないと確実に車体の姿勢が崩れるし、フロントを下げようとしてアクセル緩めるから加速が鈍る。
モトクロスですから発進加速はアクセル全開が普通なので、タイヤがスピンして斜めに走ったり、ウイリーになってバランスを崩したりします普通の人は。
そこで、リッターバイクなんかもっと高度ですが電子制御でエンジンの出力を抑えて、大丈夫な状態を維持しながらパワーを出していく制御系の技術なんです。
即ちアクセル全開でも車体の姿勢が乱れない加速をするためプロのスロットルワークをマシンが自動的にやってくれるというわけです。
これでマシンに乗せられているだけと思うのは間違いで
スピードが上がってくればタイヤも滑るし、大きく跳ねることは同じですから余計なことに気を使わないで
より高い次元でバイクの走りを味わっていけたら充実人生のひとつであるという考えですね。


トレールというカテゴリーを築いたヤマハから発売された初期の最大排気量モデルがRT1、360ccです。
大阪万博開催の70年モデルですから、もちろん実車は見たことがありません。
そんな古いモデルのチャンバー修理することになろうとは想像もしてませんでした。
もとい、凹み修理は74年型YZ250Bでエキパイ製作はRT1に着けるDT1用MXチャンバーです。

IMG_0675.JPG

すごい複雑な形状のプレスチャンバーです。
(これは74年型YZ250Bとのこと)

跳ね石のせいでしょうか、前面がボコボコに凹んでおりますが
ここを見栄えが悪くないように直すという依頼です。

エキパイがジョイント式になっており
通常の水圧成形は無理な感じなので
切開板金することにします。





IMG_0677.JPG

一般部の切断をなるべく避けて
溶接個所を剥離して分解しました。

年式の割には鉄板が腐ってないので
修理に問題なさそうです。










IMG_0678.JPG


直すべき凹みは、この二つです。
裏から当て金をするのが容易なので
可能な板金修理です。











IMG_0679.JPG


凹みが深く入っていたので完全ではないですが、目立たない程度に直りました。

これ以上叩いても変わらないと思いますので
これを元の位置に溶接します。









IMG_0681.JPG
これは溶接後ですが、難易度が高かったです。
パイプの内側にカーボンとオイルが混じったタール状の膜が堆積しており容易に除去できません。

洗浄液で洗いながらワイヤブラシで擦っても殆ど落ちませんので
そのまま溶接するとどうなるか
オイル分が燃えるので、アーク熱でパイプ内側から火炎が出ます。
するとパイプ接合部から燃焼ガスが噴き出してきて、シールドガスを飛ばしてしまうので
溶接が中断されます。
燃焼により酸化物が溶けた鉄に巻き込み
溶接不良になったりするので、火炎が消えるまで度々中断して、健全な鉄板同士の溶接なら10分でできるところを、1時間以上かかって全周溶接です。
それだけでは溶接欠陥だらけなので全部ディスクサンダーで粗削りして再溶接して健全なビードにやり直します。
腐食した鉄板は再生不可、タールが付着したパイプは一旦焼いてから溶接することにします。

IMG_0684.JPG

これはRT1の車体に中身空っぽのDT1ダミーエンジンが載せられたものです。

エキパイが切り取られているチャンバーが付いていますが
失われた部分だけを新造するという依頼内容です。







IMG_0680.JPG


DT1のエキパイを参考に
パイプを膨らましました。

パイプ径と曲げRを再現したものです。
これを実車に合わせて丁度良い位置で切断して使います。









IMG_0685.JPG

ダミーエンジンと切断されたチャンバーに当てがって形状決めたパイプと口元です。

ノーマルは内側にOリング2本入るのですが
差し込んでコーキングだけでよいということなので、排気口に0.1mm隙間の内径に加工してあります。





IMG_0686.JPG



溶接組立て完了しました。
エンジンDT1なのでDT1用MXチャンバーになりました。

凹みの板金修理と、部分製作と
二通りの修理方法やってみました。

どちらもイレギュラーな作業なので、最も安価な方法と直し方の洞察力が発揮される場面です。(どうやって直すかの判断を求められているということ)



2018年11月購入のZX10Rもうちに来て1年半経ちました。
あまり乗ってない感じですが1000キロほど走りました。
行先は厳選していくので距離は伸びません。

IMG_0669.JPG
点検のためカウリング外しています。

全く不具合ないので
点検整備記録のため前後ホイール外して
ブレーキパッドの厚み測るくらいです。


あまり汚れてないオイルも交換です。
カワサキ純正推奨ですが
2輪館に売ってなかったので
今回はレプソル・モト・スポーツ入れておきました。





IMG_0670.JPG

このフェンダーレスはリフレクター無しなんで
多分不合格です。
ノーマルのリヤフェンダーに戻して検査受けます。

マフラーもノーマル、別に不服はないのですが、絶対コカすと思って、潰れてもいいように普段はバッタモンのマフラー付けて乗っています。

明日、車検予約してあるので不要不急の用事ではないので車検場へ乗っていきます。





さて翌日の午前中は12時まで工場で仕事して12時10分に自宅を出発です。
目的地は所沢車検場で、第3ラウンド予約なので昼過ぎでも間に合うはずです。
安全のため関越道で所沢ICまで行って浦所バイパス経由で20分でした。
距離は、このルートで27km。帰りは一般道で往復ちょうど50kmでしたから
高速の方が距離は4kmほど遠いのですね。(時間は半分ですが)

IMG_0671.JPG

事務所で重量税、自賠責払って、書類書いて、検査コースへ向かいます。

緊急事態でも車検のクルマが減るわけじゃないはずですが
割りと空いているので早く終わりそうです。









IMG_0674.JPG

はい、スムーズに合格して新しい車検証もらって帰ります。

帰りは急いでないので一般道です。
ストップ・アンド・ゴーが多いので210kgの車体を支える度に体力を奪われます。

ちんちくりんの小男がリッターSS乗るんですから、ひっくり返るのを恐れてか廻りのクルマも寄ってきません。
普段はシート高980mmのモトクロッサー乗っているので足届かないのは慣れているんです。
シートに座ったまま足出すと確実に転ぶので、足付く方に体重をずらして止まるので
大丈夫なんです。
左から右足に踏みかえるときもオーバーアクションで体ごと移動させる必要がありますから
信号待ちの多い一般道は、とにかく疲れます。
重量もあるし、加速も強力なので普通に乗っているだけで十分にスポーツです。
2時ころに自宅に着きましたが体が疲労でクタクタになっていましたので1時間休憩してから仕事再開です。
まあこんな距離感なんで、都内のバイク屋さんへ2往復(片道は電車移動)頼むより、所沢へ1往復で済みますので時間もお金も節約できます。

去年、隣の空き地を借りて駐車場にしていましたが、土地の購入者が現れて立ち退きすることになりました。
敷地面積50坪ありましたのでクルマも3台は停めれましたし、オートバイも何台でも置けると思っていましたが、全部元の敷地に戻すことになり大忙しです。
こんな場所は当分売れないだろうと思っていましたが、当てが外れました。
単純に物を移動するだけでないのでGW途中から1週間も仕事止めてやっています。

IMG_0659.JPG
自家用車2台は外部の月極駐車場へ引っ越し、乗ってないオートバイは実家へ運びます。

せっかく山中土建さんとカミカゼスポーツさんの4トンダンプで入れてもらった砕石を改修中です。

砕石も私物なので自宅の周りへ移動させます。






IMG_0664.JPG

玄関前にオートバイ駐輪するために
鉄骨のカーポートを移動してきました。

こういうこともあろうかと、ボルト、ナットで組み立てるように設計してあったので役にたちました。

若干サイズダウンさせるため鋼材の仕立て直しで手間を食いました。






IMG_0666.JPG

資材置き場も屋根を付けて全天候型に仕立てました。

屋根付ける前に地面が土であったため、駐車場から砕石を移動して敷き均してからの作業だったので、このスペースだけで二日掛かりです。

これで収納は可能になったので備品を運び込むだけです。

あと一日くらいで通常業務に戻れそうです。


近くにお客さん用駐車場は2台分ほどのスペースで借りておりますので、クルマで来られても大丈夫です。

コロナ禍の影響ではないと思いますが、4月のマフラー関係注文数が例年より多いです。
全部完成するまで2か月以上かかりますので、GW中ですが休まず仕事です。

IMG_0645.JPG

この車体を見て車種を当てられる人は
オフロードバイク・エンスーですね。

車体は2世代前のCRF450Rで
エンジンはCRM250ARに換装されています。
このアッセンブリーには関わっておりませんので説明はいたしません。
ただこれにフィットできるチャンバーがないので、ワンオフ製作してほしいという依頼です。


ではCRM250AR改チャンバーの作り方をダイジェストでお見せします。

IMG_0647.JPG

CRM250R用のパイプを作ります。

取り回し可能かどうか、これを使ってレイアウト検討します。
私の憶測ですが、このままのカーブで取り付くのではないかと思います。

違っていれば作り直せばいいのです。







IMG_0648.JPG

フランジはオーナーさんが取り付けたものがありましたので、
これに合わせて口元設計しました。

D断面のOリングはCR250Rの最終型と思います。
付属部品は廃番になってない純正部品がいいでしょう。








IMG_0649.JPG

エキパイは口元から先に位置決めしていきます。

ガムテープでパイプの接合位置を決めてから溶接していきます。









IMG_0650.JPG


パイプを取回す最終段階は
サイレンサーのジョイントとテールパイプの位置を合わせることです。

この車体にはCR250RのUSサイレンサーが取り付いているので、それに合わせてテールパイプの位置を決めます。








IMG_0651.JPG


サイレンサージョイントは振動で広がってしまうので、テールパイプ側を2重にしてバックアップしています。











IMG_0654.JPG


CRFのフレームなので、サイレンサーのフロント・マウントがサブフレーム下側にあります。
ラバーマウント・ステーはCRM250用のままです。









IMG_0655.JPG


ミドルマウント・ステーも取り付き
チャンバーの製作はこれで完了ですが
ラインナップ品のチャンバーを流用しているため隙間関係はギリギリになってしまいました。
ラジエターシュラウドの下とオイルポンプ・カバーの上が1mmも空いていません。

走行に支障ないと思いますが十分な隙間を持たせるためには専用のデザインが必要でしょう。




IMG_0657.JPG


レーサーならRCバルブ付きCR250エンジンがいいと思いますが、これはトレールモデルCRM250だということを考えると
もし2ストモデルの生産が続行されていたならこのようなニューモデルになっていたかもしれないという架空のマシンを、このオーナーさんが作ったと言えるでしょう。