この仕事では歴史的マシンに触れる機会があります。
77年から82年までカワサキが世界GP250/350ccクラスに参戦し、K・バリントンやA・マンクがチャンピオン獲得したころのマシン。
今回は5月ころ予約いただいていたチャンバーの部分改修で、順番が来ましたので持ってきていただいた、KR250のチャンバー前後(タンデム・ツインなので)とRケースカバーです。
お客さんの了承を得て画像載せています。
車体は見てないですが、80年ころフランス・カワサキから世界GPエントリーしたKR250のチャンバー。
製作者は存命らしいですが、高齢のため
こちらに依頼が回ってきました。
フランス・カワサキから払い下げられたKRをプライベートのライダーが所有した間に改造されたテールパイプ部分を
オリジナル同様に戻す改修を行います。
フランスから東京のバイヤーが、このKRを輸入した後、現在のオーナーに渡ってきたと説明をしていただきました。
実車見てないので、レーサーズVol.42から
車体の確認をします。
画像は神戸の川崎重工ミュージアムにある
展示車両と思われます。
画像からチャンバー形状が同一の物のようです。
ゼッケン1はK・バリントンのチャンピオンマシンですね。
お客さん所有のKRはフランス人ライダー
J・F・バルデが乗った車体らしいです。
バルデはA・マンクと共に活躍し、81年にシリーズランキング2位(チャンピオンはマンク)獲得した選手です。
ついでに頼まれたウォーターポンプの修理です。
冷却水が入ったまま長期間保管されたためか
インペラがアルミナの堆積物で固着して動かなくなっていたのでした。
オーナーがアルミナを削って、インペラは取り出せたのですが、ハウジングは使用不可能です。
インペラを固定するボルトは折れてシャフトの中に立て込んでいます。
シャフトを引張りださないと立て込んだネジ穴の修理ができません。
シャフトの抜き工具を作らなければなりません。
奥のギヤはタコメーターのケーブルを差し込むシャフトが入っています。
ハウジングの損傷が激しいので
削り出しで新造した方が上手くいくと思います。
ちょっと時間の読めない作業なので
来週取り掛かりますが
それまで他の業務はできません。
一つ一つ進行です。
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