最初はメールでの修理問い合わせでした。社外品の修理は原則的にやりません。
それは社外マフラーメーカーの企画で販売されたものが、どのように処理されても私には無関係だからです。とにかく関わらないことが一番です。
しかし生真面目にメールの問い合わせに回答してしまったおかげで、やらなくていいことを引き受けることになってしまいました。
最初に送られてきたメールには、まだ購入してない凹んだエキパイの画像が添付されており、おそらくオークションサイトの出品画像だったと思います。
その時点では依頼者さんも現物を確認してない状態だったと思います。
しかも運の悪いことに、車体持ち込みで修理するエキパイを預かる日に急用で外出しており約束の時間に戻れませんでした。
そういうわけで、凹んだエキパイ現物を確認しないまま工場前に置いて帰られました。(連絡先教えてないから仕方ないね)
CBR400ですね。作業の妨げになるのでカウルを外しました。
ノーマルのエキパイが露わに、
これはフィッティング作業のため外します。
純正マフラーは三恵技研製、私の知るかぎり国内で1番のマフラーメーカーです。
生産数、塑性加工技術、部品制度
どれをとっても、このメーカー以上のものはないです。
企業間取引しかしないので
一般顧客とは純正パーツしか関わりない会社です。
これは凹んだエキパイ、
このように大部分に歪が入ったパイプは直りません。
いくら安くても、このようなものを購入してはいけません。
事前に現物確認できればお断りするのですが、車体ごと置いて行かれたのですから
マフラーが装着できれば、目的は果たせるのだろうと思い、
代わりのエキパイを作ることにします。
スクラップ同然の中古品を購入するくらいですから予算も少ないと予想されます。
同寸の鉄パイプ曲げて
集合部分にフィッティングしました。
3次元曲げはワンピースでは無理なので
3分割で1本になります。
2本で合計6R曲げです。
曲げ角度が微妙で難易度が高かったです。
絶対一発では無理ですね。
まあ取りつけばOKでしょう。
事前に聞いてない問題が次々発覚。
衝突の影響でミドルパイプのマウントステーは吹っ飛んでいることは聞いていましたが
O2センサーのネジサイズが違っていて
センサー取り付け用のネジを作らねばなりません。
サイレンサーのマウントもノーマル位置とは離れた場所にあるため
マウント用アダプターも必要です。
事故車から取り外したマフラーを売るやつの不親切さが垣間見えますね。
なぜかセンサーボスのネジサイズが違っていて、変換アダプターがあるかどうかわかりませんが、取り寄せていると時間がないので
ステンレスナットにリタップしたものを溶接しました。
スチールパイプを潰れたエキパイから
曲げカーブを推測して作りました。
錆止めの耐熱ブラック塗装です。
ミドルパイプのマウントステー、O2センサーなど取り付け確認。
アダプター作って装着しました。
この商品はどうやって取り付けるかは知りませんが、支給されたものだけで組み上げるために必要な作業でした。
これで年内の物つくりは終了とします。
土地の境界にブロック塀ができたので
地面を埋め戻したら
備品棚の移動に取り掛かり、
片付け終わってすっきりと正月を迎えたいものです。