最後に作ったYZ85チャンバーは排気デバイス無しの旧型に対応した物でした。
19年にモデルチェンジ後、新型は作ってなかったのですが、マスター車お借りできたので
チャンバーを新型へ更新することになりました。
右が試作1号ですが
旧型の低速トルクを改善したタイプに
口元だけを新型の寸法に取り換えたものです。
パイプの形状は旧型と共通なのだろうと思っていたのですが、どうやら違ったみたいです。
排気デバイス無しの旧型エンジンは高回転高出力型なので低回転域を軽視した出力特性でした。
排気デバイス追加することでコストアップも懸念されたので採用されなかったでしょう。
その出力特性は、高速コースでは有利ですがスピードレンジの低いコースでは欠点といえるものだったでしょう。
その低速域を改善した諸元のチャンバーを新型に付けたら、どうだったでしょう。
トップエンドの伸びが無くなってしまいました。
おそらく低速トルク改善した新型のエンジンには旧型より高回転型の諸元に変更したチャンバーになっているはずです。
もう一度、ノーマルと試作1号の諸元を測ってみて導き出した更新型が左側です。
低速トルクは可変ポートによって増加させ
中高速は排気バルブが全開になったタイミングに合わせたチャンバー諸元ということで
旧型よりエキパイとコンバー(収束)コーンを短縮した設定になっています。
ロードテストの結果、低速域も十分で
加速域からトップエンドまで強力な出力を体感できました。
しかしノーマルのチャンバーも凄くいいパワーが出ていて何も不満はない感じですが、社外チャンバーに取り換えたい人は何を求めているのか聞いてみたいところです。
ロードテストはサイレンサーもセットで交換しましたが、ついでにノーマルチャンバーにSPLサイレンサーをつけるとどんなフィーリング
なのか走ってみました。
ノーマルと比較で変わらないかと想像していましたが、この組み合わせがハッキリと分かるくらいパワー感がありました。
もしかしたら、チャンバーの仕上がりはノーマル同等でサイレンサーの抵抗が違っているのかもしれません。
あくまで田舎B級だったテストライダーの感覚なので、幸運にもこのサイレンサーを付けた人だけが体感することができるでしょう。
競技用部品なので騒音規定は満足しなければなりません。
2mMAX法で計測しました。
ノーマル 108.9 dB/A
109.3 dB/A
SPL 109.7 dB/A
110.8 dB/A
器差がありますのでノーマルとの比較で
殆ど差がないことがわかります。
計測は5回くらい測って最小と最大の数値を除外したものです。
全日本シーズンに向けて去年からオーダー受けていたので、なんとか間に合わせることができそうです。
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