2021年4月アーカイブ

一昨年、桶川SLで転倒して後続車に轢かれ、潰れていたガソリンタンクを修理するはずが、
今まで放置してしまいました。

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ノーマルタンクのアッパーとロアーに分解して凹みを叩き出しました。

塗装を剥離しようとしたら、全面パテ盛りで
全体がデコボコであることが判明しました。

オリジナル塗装でない中古タンクは
このような修理がされている疑いがあります。
これでは凹んだままの方が価値があると思います。パテ盛りされた鉄板は板金できませんからね。


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こんな分厚いパテが剥がれ落ちるのです。

二度と凹ませないタンクならいいですが
常に転倒リスクのあるサーキット走行ですから、こんなタンク使えませんね。





NSRのタンクはジャンク品でも高額で取引されています。
どうせこんなタンクを買うくらいなら、アルミで作ってしまえという今回の企画です。

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ノーマル形状にこだわっていませんので
単純な方法で作りました。

車体に問題なく取りついてガソリンが漏れなければいいだけの要件です。










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ウラ側はこんな感じです。

ラジエターキャップとキャブレターのワイヤーを逃がす凹み加工が施されています。

燃料コックのパイプはノーマルから切り取ってボルト止めにしました。







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コックの位置決めが難しくて
フレームギリギリなので、取り付け角度など
苦心しましたが
問題なくキャブレターとの接続も完了しました。

リザーブ付きのコックなんですが
フィルターの状態が悪くONではガソリンの落ちが悪いことが判明、
フィルターを外して、RES専用にしました。

ガソリン容量9L入りますのでサーキット走行に差し支えないと思います。


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ガソリンタンクが付いたおかげで
一年半ぶりにエンジン始動できました。

チョコチョコ手を入れながら、サーキット練習していく予定でおります。


オフロードの乗り方が染みついていてオンロードが上手く乗れませんので、サーキット走行で矯正したいと思います。
今年59歳になってしまったので、競争目的ではありません。どうせ下手だし、誰かに勝たなければならない理由がないですからね。
公道で安全に攻められるように運転技術の習得が目的で、誤解のないように、危険運転にならないようまずはミニバイク
からということです。
前回の修理方法が不適切だったため、広島まで練習に行って、直ぐ溶接が割れたらしいです。
応急処置で、なんとか走行は可能だったようですが、埼玉へ戻ってきたので再修理します。

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同じ過ちはしない。

破損したマウント部分を金ノコで切り取り
平坦にしました。

ここに削り出しのマウントブラケットを置いて
溶接する方法にします。









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サブフレームを取り付け、作ったマウントブラケットを仮止めして、締め付け面とボルト穴位置を決めます。

メインフレームのダイキャスト、AC4Cに対して、削り出したマウントの材質はA6061
ジュラ鍛に使う材料で強度も高く溶接性はいいです。






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本溶接完了しました。
マウントの肉厚をノーマルより増やしたので
同じような壊れ方はしないでしょう。

丁度、緊急事態宣言のため広島の全日本は延期になりましたので
エイジ・ハードニングに十分な期間が与えられます。


本来ならメーカーに打ち上げて破損の原因を究明していただくところですが
破面解析の証拠が消えてしまったので
調べる手段はありません。
多発性がなければ物不良だったということで
かたずくでしょう。


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九州から戻ってきた車体ですかね。

この画像では何が起こったかは解りません。


リヤ回りの外装は外して、サブフレームは新品を取り付け、
マウント位置の確認をしております。






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これで解りますね。
右上のサブフレーム取り付けのマウントが
ネジ穴の真ん中で割れて欠損しています。

転倒の衝撃でサブフレームは捻じれて
マフラーも曲がっていました。

正しい取り付け位置に修復するために
新品のサブフレームとマフラーを持ってきてもらって合わせながら修理します。

激しい転倒だったと推察されるので、ライダーも相当ダメージを負っていることでしょう。

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7N01の丸棒からネジ穴を作りました。

メインフレームのマウントブラケットは
アルミダイキャスト製法ですから
材質はAC4C相当だと思いますが
AC4Cの素材は売ってないので
溶接性がよい高強度の超々ジュラルミン
7N01を欠損した部分に使用します。








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ブラケットの破断面を平に削ってから
作ったネジを欠損寸法で切り出し
ボルトを入れて取り付け位置を決めます。

ネジ山を溶かさないようにギリギリまでアークで溶かして付けます。









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ダイキャストと7N01の相性はいいですね。
容易く溶け合いました。

AL・Zn・Mg系の7N01はもう一つメリットがあります。
常温時硬性がありますので、溶接直後は材料が軟化しますが、常温で2週間程度経過して元の硬さに戻ります。







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新品のサブフレーム、マフラーは問題なく付きます。

この後、捻じれたサブフレームと曲がったマフラーも正常な位置に直して修理完了です。

必ずしも最良の修理方法かわかりませんが
時間と費用の関係で
最も早く、安価な方法の一例として
もちろん強度的にも不安がないように施工しました。
*修理後の強度確認は転倒時と同じ入力しなければ誰もわかりません。
前回と同じ転倒が起こった場合は同じように破損するはずです。