九州から戻ってきた車体ですかね。
この画像では何が起こったかは解りません。
リヤ回りの外装は外して、サブフレームは新品を取り付け、
マウント位置の確認をしております。
これで解りますね。
右上のサブフレーム取り付けのマウントが
ネジ穴の真ん中で割れて欠損しています。
転倒の衝撃でサブフレームは捻じれて
マフラーも曲がっていました。
正しい取り付け位置に修復するために
新品のサブフレームとマフラーを持ってきてもらって合わせながら修理します。
激しい転倒だったと推察されるので、ライダーも相当ダメージを負っていることでしょう。
7N01の丸棒からネジ穴を作りました。
メインフレームのマウントブラケットは
アルミダイキャスト製法ですから
材質はAC4C相当だと思いますが
AC4Cの素材は売ってないので
溶接性がよい高強度の超々ジュラルミン
7N01を欠損した部分に使用します。
ブラケットの破断面を平に削ってから
作ったネジを欠損寸法で切り出し
ボルトを入れて取り付け位置を決めます。
ネジ山を溶かさないようにギリギリまでアークで溶かして付けます。
ダイキャストと7N01の相性はいいですね。
容易く溶け合いました。
AL・Zn・Mg系の7N01はもう一つメリットがあります。
常温時硬性がありますので、溶接直後は材料が軟化しますが、常温で2週間程度経過して元の硬さに戻ります。
新品のサブフレーム、マフラーは問題なく付きます。
この後、捻じれたサブフレームと曲がったマフラーも正常な位置に直して修理完了です。
必ずしも最良の修理方法かわかりませんが
時間と費用の関係で
最も早く、安価な方法の一例として
もちろん強度的にも不安がないように施工しました。
*修理後の強度確認は転倒時と同じ入力しなければ誰もわかりません。
前回と同じ転倒が起こった場合は同じように破損するはずです。
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