なにやら見覚えのあるマフラーですが、去年も修理にきたのと同じものです。
イギリス製だと思いますが、現地メーカーからサービスを受けることができないのでしょう。
2種類あります。
詳細は知りませんが
上が旧型、下が去年の物です。
リベットを外して分解しました。
どちらも1シーズン使ったらしく
少し損傷しています。
今回の依頼は音が大きくなってきたので
グラスウールを入れ替えることですが
損傷部分の修理もやっておきます。
2者の比較ですが
サイレンサーの長さが全然違います。
インナーパイプの径も違います。
旧型の方が長くてインナーが細い。
後期は短くてインナーが太い。
目的は前者は消音タイプ
後者はパワーアップだと推察します。
どちらも現行KX250Fに装着できます。
後期型の出口付近にスパークアレスターが入っています。
これによって、アフターバーンが抑えられますが、パワーフィーリングも直管よりマイルドになるでしょう。
マフラーが短く出口が広いため、効果的な消音方法を採っているようです。
旧型はスパークアレスターではなく
フィンが2枚付けられています。
これは排気ガスに乱流を起こし、排出スピードを遅らせる効果があります。
騒音はガスが急激に膨張するときに起こる
空気の振動なので
膨張する勢いを落とすことで騒音を軽減することができます。
多くの市販レーサーのマフラーに採用されている手法です。
損傷部分はこれです。
フロントマウントのネジが壊れてボルトの締め付けが出来なくなっています。
ブラケットはネジを取り出すためにカットした状態です。
ステンレス棒からナットを削り出して
ブラケットに装着しました。
ネジ穴の位置を微調整するために
長穴をスライドするナットになっています。
そのためナットの軸が摩耗してネジが壊れてしまったようです。
ブラケットの削除した部分をステンレス板で修復しました。
ナットは前後にスライドする構造で回復しています。
フレームに当たる面にワッシャーを取り付けて完成です。
M10用ワッシャーの穴にナットの軸が圧入できる加工寸法になっています。
グラスウール・リパック完了しましたが
国産メーカーの純正部品を流用します。
銘柄は秘密にしておかないと、社外マフラーに使うことが知られると販売拒否されることがあります。
例えばY社のマフラー用グラスウールは
特約店か同社マフラーの販売証明がなければ注文できないということです。
部品代が結構掛かります。
グラスウール代1万円/一台当たり
ステンリベット1か所50円で2本で31か所加締めましたので1550円
分解と組み立て、マウント修理など工賃も含めて2本分総額3万円になりました。
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