国内では珍しいML3(CR500R)のフレームを改修します。
レストアラーのDFさんからの依頼ですがヤフオクで中古フレーム落札したら想像以上に酷かったので
このまま塗装して組み上げるわけにはいかなかったでしょう。
サイドビューからフレームの状態を図り知ることは無理でしょう。
最も醜い状態のテンションブラケットを削除して新造して取り付けることにするので
取り付けレイアウトを同一にするためフレーム治具製作しました。
これでテンションブラケットのボルトを外しても3点のエンジンマウントで取り付け位置は決定できます。
テンションブラケット取り付け部分
何故このような溶接になったか疑問ですが
DFさんは、とにかくここを綺麗に直してくれと言うので、
これはもう取り外してやり直した方が簡単だろうと決心しました。
直す部分はもう一つ
ロアーパイプ下面のデフォーム多数
平滑なパイプにしたいとのことです。
すごく荒っぽく乗られた車体だったようです。
これに長期間費やしていられないので
ごく簡単に直してみたいと思います。
直すというか、ボロ隠し
曲げたパイプを半割りにして貼り付け
ツインウォールにしました。
板厚1.6mmなので丈夫だと思います。
溶接ビードは研磨しません。(板厚が薄くなるので)
テンションブラケット削除しました。
溶断で切り落としてディスクサンダーで均すことで平滑になります。
2本のテンションパイプとクロスパイプの接合部、クロスパイプ両端の溶接ビード、謎の団子付けを改善すべく
TIGで舐めておきました。
切り取ったテンションブラケットの代わりに
新造しました。
S45Cの板厚4mmを選択しました。
中強度の炭素鋼で軽く焼きが入ります。
?12ボルトがスムーズに入ることを確認して
フレームに溶接します。
フレーム治具を組んだ状態で溶接しますのでボルト穴位置は元通りに復元されます。
ブラケット内幅のカラーに0.8mmシムを挟んで締め付けしているのは
溶接歪みで内幅が締まってしまうので
テンションロッドのディスタンスカラーが
入らなくなるのを防ぐためです。
テンションブラケットはCRのフレームで最も引っ張り荷重が掛かる部分で
大ジャンプの着地などで最大10トン近くの力で引っ張られます。
そのため材質や溶接方法など、強度重視で配慮して加工しました。
これでML3フレーム改修完了です。
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